Illusion(イリュージョン)
「Out of the Mist」(邦題は「醒めた炎」)は、イギリスのクラシカルなフォーク・ロックバンド、Illusion(イリュージョン)が1977年に発表した1stアルバム。
Illusionは、オリジナル・ルネッサンス(Renaissance)が解散した後に、再びオリジナルのルネッサンスを復活させるべく結成されたバンド。
オリジナル・ルネッサンス再建に動いていたキース・レ ルフ(Keith Relf)が、自宅で作曲中にギターの感電で死亡するという事故がおきる。その後、兄の意志を受け継ぐべく、妹のジェーン・レルフをフロントに、オリジナ ルルネッサンスの4人が集結。そこにギターとドラムが新たに加わり、6人編成のバンドとしてルネッサンスは復活する。
しかし活動を開始するにあたって、すでにバンド名の使用権がアニー・ハズラム(Annie Haslam)を擁する別バンドに移っていたことにより、オリジナル・ルネッサンスの2ndアルバムのタイトル「Illusion(幻影)」をバンド名とする。
John Hawken:ピアノ、ムーグ、メロトロン、オルガン
Louis Cennamo:ベース
Jane Relf:ボーカル
Jim McCarty:ボーカル、アコースティック・ギター、パーカッション
John Knightbridge:ギター
Eddie McNeil:ドラムス、パーカッション
アルバムはJim McCarty(ジム・マッカーティー)とJane Reff(ジェーン・レフル)のデュエットによる「イザドラ(Isadora)」で始まる。無理のない美しい発声による二人のフォーキーな歌は、それだけでとても優しく聴き手を包んでくれる。
バックもロックバンド形式ではあるが、フォークギターとクラシカルなピアノをメインに、歌の美しさを最優先したアレンジだ。John Hawkenのピアノ・アルペジオが印象的。間奏に入るエレキギターソロも地味ながら感動的。終盤は静かにメロトロンフルートが鳴り響く。
2曲目「自由への道」ではJaneがメインボーカルで歌う。華やかさはないがいかにもブリティッシュな落ち着いた歌い方、そして低めの声質がとても大人の女 性を思わせる。フォークタッチな歌い方ながら、音程も安定しており高音も低音も美しい。清楚にしてどこか醒めたような彼女のボーカルは、聴けば聴くほど味 わいが増す。
本アルバムは本当に良い曲が多く、3曲目の「ビューティフル・カントリー」の、冒頭の静かなムーグの調べから引き込まれる言葉にならない美しさ、途中で聴かれるメロトロン・フルートの効果的な使い方など素晴らし過ぎる。
またオリジナル・ルネッサンス時代の曲に再録にあたる「フェイス・オヴ・イェスタデイ」も、Janeの魅力爆発な名曲。スキャット部分も思わず過去を振り 返ってしんみりしてしまう程に美しい。曲自体に大きな起伏を作るというより、ある種の感情を切り取って歌にしたような淡々としながら心に染み入る曲だ。
しかし4曲目「ソロ・フライト(Solo Fight)」などは、McCartyがボーカルを取るロック寄りの7拍子の曲だし、5曲目の「エヴリホエア・ユー・ゴー(Everywhere You Go)」はオーケストラをバックにJaneが歌うノリのよい曲だし、ラスト曲はツインボーカルにハーモニーが重なるダイナミックな曲。展開も多く、本アル バム中では一番プログレッシヴ・ロック的だ。そうした音楽的な幅の広さやそれに対応できるメンバーの実力も伴っていたと言えるし、そうして曲調が変わって もどこかしら醒めたような格調高さが不変なのもいい。
全体として、美しいメロディー、ピアノを活かしたシンプルなアレンジ、Janeのメ インボーカルに、淡く絡み付くハーモニーが特徴。その中で終始美しい調べを奏で続けるピアノが特に印象的で、音楽面でJohn Hawken(ジョン・ホウケン)の存在がとても大きいことが伺える。
プログレッシヴ・ロックに分類されることが多いが、フォーク系のブリティッシュ・ロックとしても傑作。
Janeの声、いいなぁ。うん、スゴくいい。
Illusionは、オリジナル・ルネッサンス(Renaissance)が解散した後に、再びオリジナルのルネッサンスを復活させるべく結成されたバンド。
オリジナル・ルネッサンス再建に動いていたキース・レ ルフ(Keith Relf)が、自宅で作曲中にギターの感電で死亡するという事故がおきる。その後、兄の意志を受け継ぐべく、妹のジェーン・レルフをフロントに、オリジナ ルルネッサンスの4人が集結。そこにギターとドラムが新たに加わり、6人編成のバンドとしてルネッサンスは復活する。
しかし活動を開始するにあたって、すでにバンド名の使用権がアニー・ハズラム(Annie Haslam)を擁する別バンドに移っていたことにより、オリジナル・ルネッサンスの2ndアルバムのタイトル「Illusion(幻影)」をバンド名とする。
John Hawken:ピアノ、ムーグ、メロトロン、オルガン
Louis Cennamo:ベース
Jane Relf:ボーカル
Jim McCarty:ボーカル、アコースティック・ギター、パーカッション
John Knightbridge:ギター
Eddie McNeil:ドラムス、パーカッション
アルバムはJim McCarty(ジム・マッカーティー)とJane Reff(ジェーン・レフル)のデュエットによる「イザドラ(Isadora)」で始まる。無理のない美しい発声による二人のフォーキーな歌は、それだけでとても優しく聴き手を包んでくれる。
バックもロックバンド形式ではあるが、フォークギターとクラシカルなピアノをメインに、歌の美しさを最優先したアレンジだ。John Hawkenのピアノ・アルペジオが印象的。間奏に入るエレキギターソロも地味ながら感動的。終盤は静かにメロトロンフルートが鳴り響く。
2曲目「自由への道」ではJaneがメインボーカルで歌う。華やかさはないがいかにもブリティッシュな落ち着いた歌い方、そして低めの声質がとても大人の女 性を思わせる。フォークタッチな歌い方ながら、音程も安定しており高音も低音も美しい。清楚にしてどこか醒めたような彼女のボーカルは、聴けば聴くほど味 わいが増す。
本アルバムは本当に良い曲が多く、3曲目の「ビューティフル・カントリー」の、冒頭の静かなムーグの調べから引き込まれる言葉にならない美しさ、途中で聴かれるメロトロン・フルートの効果的な使い方など素晴らし過ぎる。
またオリジナル・ルネッサンス時代の曲に再録にあたる「フェイス・オヴ・イェスタデイ」も、Janeの魅力爆発な名曲。スキャット部分も思わず過去を振り 返ってしんみりしてしまう程に美しい。曲自体に大きな起伏を作るというより、ある種の感情を切り取って歌にしたような淡々としながら心に染み入る曲だ。
しかし4曲目「ソロ・フライト(Solo Fight)」などは、McCartyがボーカルを取るロック寄りの7拍子の曲だし、5曲目の「エヴリホエア・ユー・ゴー(Everywhere You Go)」はオーケストラをバックにJaneが歌うノリのよい曲だし、ラスト曲はツインボーカルにハーモニーが重なるダイナミックな曲。展開も多く、本アル バム中では一番プログレッシヴ・ロック的だ。そうした音楽的な幅の広さやそれに対応できるメンバーの実力も伴っていたと言えるし、そうして曲調が変わって もどこかしら醒めたような格調高さが不変なのもいい。
全体として、美しいメロディー、ピアノを活かしたシンプルなアレンジ、Janeのメ インボーカルに、淡く絡み付くハーモニーが特徴。その中で終始美しい調べを奏で続けるピアノが特に印象的で、音楽面でJohn Hawken(ジョン・ホウケン)の存在がとても大きいことが伺える。
プログレッシヴ・ロックに分類されることが多いが、フォーク系のブリティッシュ・ロックとしても傑作。
Janeの声、いいなぁ。うん、スゴくいい。