Il Volo(イル・ヴォーロ)
Il Volo(イル・ヴォーロ)はFormula 3(フォルムラ・トレ)という、これもまたイタリアンロックの傑作アルバムを残したバンドが解散し、そのギターとキーボード担当の二人が中心に、すでに確かな実績を残したメンバーを集めて結成されたイタリアのスーパーバンド。
しかし彼らはわずか2枚のアルバムを残して解散してしまった。1作目は歌もの中心でこちらも評価が高いが、この2作目にして最終作は、歌を最小限に抑え、インストゥルメンタルに力点をシフトさせて、非常に感動的な音楽を作り上げた。それがこの1975年の作品「Essere O Non Essere?」(邦題は「イル・ヴォーロII)である。
“essere”は「存在、生命」などを意味するとともに、英語のbe動詞にあ たる言葉。つまり“essere o non essere”は、“to be or not to be”、そうシェイクスピアの「ハムレット」に出てくる有名な言葉『生きるべきか、死ぬべきか』(英文学者の小田島雄志の新訳では『このままでいいのか、 いけないのか』)にあたる言葉だ。
Alberto Radius:ギター、ボーカル
Gabriele Lorenzi:キーボード
Gianni Dall'Aglio:ドラムス、パーカッション
Mario Lavezzi:ギター、マンドリン
Vince Tempera:キーボード
Roberto Callero:ベース
ツインギター&ツインキーボードということで、音が厚くなるかと思いきや、音数は抑え気味で、疾走感あふれるハイテンションな演奏とイタリアらしい詩情あふれるアコースティックパートが絶妙に配されている。
中でもバンドの特徴とも言えるのが、冒頭の曲や2曲目の最初に流れるRadiusのエレキギター。イフェクトをかけて独特の粘りのあるエロティックな音なのだ。最初聴いた時に、バイオリン?ムーグ?これ何の音だ?と不思議に思った記憶がある。
そして非常にタイトなリズム隊の上で、この個性的なギターとともに活躍するのが、エレクトリックピアノなのだ。このエレクトリックピアノがクールなイメージ を全体にもたらしている。そしてところどころに入る様々なキーボードサウンド。非常に繊細な音からうねりの強い鋭い音まで、要所要所で効果的に使われてい る。時々入るパーカッションもバンドの個性になっている。
フュージョンよりリズムがロック的だが、ジャズロックというほどテクニカルな表 現に頼る部分は少ない。シンフォニックというほど音に厚みもないし、大仰さはカケラもない。きちんと構成された曲を抜群のコンビネーションで演奏しつつ、 ところどころに胸をかきむしるような叙情的なメロディーを交えた、非常にユニークな位置に存在するサウンドだ。唯一「Essere」で聴けるボーカルもしっとりとした声でイタリア的な美しさを感じさせる。
そしてアルバム全体を通して感じられるのが、深い哀愁とともに、どこか果てしない大 空に向かって飛び上がって行くような飛翔感、開放感。イタリア的に熱くならず、でもイタリア的な美しさを残したまま、夢や希望に向けて飛び立って行くよう なイメージを残してアルバムは終わる。ちなみにバンド名「il volo」とは英語で「flight(飛行、飛翔)」という意味だ。
ジャケットの内側には「ERESSE, ERESSE, ERESSE!(生きろ、生きろ、生きろ!)」とある。希望に満ちた音楽。
イタリアが生んだ傑作の一つ。
ちなみに「il volo」とは「flight(飛行)」の意味。バンド名とアルバムイメージは見事に一致している。
しかし彼らはわずか2枚のアルバムを残して解散してしまった。1作目は歌もの中心でこちらも評価が高いが、この2作目にして最終作は、歌を最小限に抑え、インストゥルメンタルに力点をシフトさせて、非常に感動的な音楽を作り上げた。それがこの1975年の作品「Essere O Non Essere?」(邦題は「イル・ヴォーロII)である。
“essere”は「存在、生命」などを意味するとともに、英語のbe動詞にあ たる言葉。つまり“essere o non essere”は、“to be or not to be”、そうシェイクスピアの「ハムレット」に出てくる有名な言葉『生きるべきか、死ぬべきか』(英文学者の小田島雄志の新訳では『このままでいいのか、 いけないのか』)にあたる言葉だ。
Alberto Radius:ギター、ボーカル
Gabriele Lorenzi:キーボード
Gianni Dall'Aglio:ドラムス、パーカッション
Mario Lavezzi:ギター、マンドリン
Vince Tempera:キーボード
Roberto Callero:ベース
ツインギター&ツインキーボードということで、音が厚くなるかと思いきや、音数は抑え気味で、疾走感あふれるハイテンションな演奏とイタリアらしい詩情あふれるアコースティックパートが絶妙に配されている。
中でもバンドの特徴とも言えるのが、冒頭の曲や2曲目の最初に流れるRadiusのエレキギター。イフェクトをかけて独特の粘りのあるエロティックな音なのだ。最初聴いた時に、バイオリン?ムーグ?これ何の音だ?と不思議に思った記憶がある。
そして非常にタイトなリズム隊の上で、この個性的なギターとともに活躍するのが、エレクトリックピアノなのだ。このエレクトリックピアノがクールなイメージ を全体にもたらしている。そしてところどころに入る様々なキーボードサウンド。非常に繊細な音からうねりの強い鋭い音まで、要所要所で効果的に使われてい る。時々入るパーカッションもバンドの個性になっている。
フュージョンよりリズムがロック的だが、ジャズロックというほどテクニカルな表 現に頼る部分は少ない。シンフォニックというほど音に厚みもないし、大仰さはカケラもない。きちんと構成された曲を抜群のコンビネーションで演奏しつつ、 ところどころに胸をかきむしるような叙情的なメロディーを交えた、非常にユニークな位置に存在するサウンドだ。唯一「Essere」で聴けるボーカルもしっとりとした声でイタリア的な美しさを感じさせる。
そしてアルバム全体を通して感じられるのが、深い哀愁とともに、どこか果てしない大 空に向かって飛び上がって行くような飛翔感、開放感。イタリア的に熱くならず、でもイタリア的な美しさを残したまま、夢や希望に向けて飛び立って行くよう なイメージを残してアルバムは終わる。ちなみにバンド名「il volo」とは英語で「flight(飛行、飛翔)」という意味だ。
ジャケットの内側には「ERESSE, ERESSE, ERESSE!(生きろ、生きろ、生きろ!)」とある。希望に満ちた音楽。
イタリアが生んだ傑作の一つ。
ちなみに「il volo」とは「flight(飛行)」の意味。バンド名とアルバムイメージは見事に一致している。