「ゴールデン・ピクニックス」は四人囃子のセカンドアルバム。発表は1976年、デビュー作にして歴史的名作「一 触即発」から2年後のことだ。
当時のLPの帯のアオリが 「2年間の沈黙を破り、ついに完成された四人囃子の新たなる世界。次々に万華鏡のように繰り広げられる位相の違った世界への47分間のピクニック!」 というもの。これがまさに内容をズバリ言い表している。
森園勝敏:ギター、リード・ヴォーカル、パーカッション、
シンセサイザー、バックボーカル
岡井大二:ドラム、パーカッション、シンセサイザー、バックボーカル
坂下秀実:キーボード、パーカッション、シンセサイザー、
バックボーカル
佐久間正英:ベース、リコーダー、シンセサイザー、パーカッション、
バックボーカル
<ゲスト>
ジョン山崎:アコースティック・ピアノ、ハモンド・オルガン
中村哲:ソプラノ&テナー&アルト・サックス
浜口茂外也:フルート、パーカッション
トシ:パーカッション
メンバーはベースが1stの中村真一から佐久間正英に交替している。
当時、あの四人囃子のセカンドだ〜と期待 に胸膨らませてレコードに針を落とした時の落胆が、今となっては懐かしい。それくらい1stでイメージしていた世界とは違っていたのだ。もともと四人囃子はいわゆるプログレッシヴ・ロック的様式の世界には収まり切らないバンドなのだ。それを見事に期待を裏切ることで証明してくれた。
そしてこの2ndアルバムは、時を経るごとに自分の中でも社会的にも評価が高まっていったように思う。まず音の作り込みが尋常ではない。300時間を越えるレコーディングを経て作り上げた、日本の1976年の作品とは到底思えない完成度の高さ。80年代インディーズプログレバンドにはない、自信とテクニックに裏付けされた存在感のある音、そしてプレイ。隅々まで行き届いたアイデア、エコーが印象的な緻密なサウンド処理。
そして今にして思うのが、これは「一触即発」と対になっているアルバムなのだなぁということ。
どちらも基本的な各プレーは変わらない。表現力豊かなギター、アイデア豊かな色彩感覚あふれるキーボード、ジャズテイストをほのかに感じさせるタイトながら叩き過ぎないドラムス。
しかし1stは内に向って沈み込んでいくような幻想性と狂気、2ndは外に向って発散・爆発していくような高揚感と錯乱が潜んでいる。言わば抑うつ状態から躁転したかのような違いか。300時間かけてレコーディングしているというところも、ある意味躁状態っぽいと言えるかもしれない。
それは関係者自ら手がけたLP付属のライナーノートからもうかがえる。生年月日や星座まで書き込んだ関係者名簿。おふざけ写真入りの曲解説。詳細な使用機材一覧。そしてこれでもかっていう感じのレコーディング履歴一覧。やたらハイで、どこかタガが外れた感じ。
17分近い大曲「泳ぐなネッシー」も、ゆったりとした雄大なイントロから「一触即発」的世界を期待すると肩すかしを食らう。むしろ千変万化する妄想的イメージが重なり合う不思議世界。しかしアルバム全体としては、様々な音楽的要素を盛り込んだごった煮的内容ながら、各曲の完成度は非常に高く、一聴する限り決して難解ではない。むしろポップですらある。 そしてそれらを違和感無く1枚にすっきりとまとめたところがまた凄い。
ギター&ボーカルで中心的存在であり多くの楽曲を手がけていた森園勝敏と、独特な世界を作り出していた作詞の末松康夫が、このアルバム制作後バンドから離れてしまう点でも、初期の2枚は特別な存在である。
間違いなく日本のプログレッシヴ・ロック、さらには日本のロック全体を代表する傑作。
当時のLPの帯のアオリが 「2年間の沈黙を破り、ついに完成された四人囃子の新たなる世界。次々に万華鏡のように繰り広げられる位相の違った世界への47分間のピクニック!」 というもの。これがまさに内容をズバリ言い表している。
森園勝敏:ギター、リード・ヴォーカル、パーカッション、
シンセサイザー、バックボーカル
岡井大二:ドラム、パーカッション、シンセサイザー、バックボーカル
坂下秀実:キーボード、パーカッション、シンセサイザー、
バックボーカル
佐久間正英:ベース、リコーダー、シンセサイザー、パーカッション、
バックボーカル
<ゲスト>
ジョン山崎:アコースティック・ピアノ、ハモンド・オルガン
中村哲:ソプラノ&テナー&アルト・サックス
浜口茂外也:フルート、パーカッション
トシ:パーカッション
メンバーはベースが1stの中村真一から佐久間正英に交替している。
当時、あの四人囃子のセカンドだ〜と期待 に胸膨らませてレコードに針を落とした時の落胆が、今となっては懐かしい。それくらい1stでイメージしていた世界とは違っていたのだ。もともと四人囃子はいわゆるプログレッシヴ・ロック的様式の世界には収まり切らないバンドなのだ。それを見事に期待を裏切ることで証明してくれた。
そしてこの2ndアルバムは、時を経るごとに自分の中でも社会的にも評価が高まっていったように思う。まず音の作り込みが尋常ではない。300時間を越えるレコーディングを経て作り上げた、日本の1976年の作品とは到底思えない完成度の高さ。80年代インディーズプログレバンドにはない、自信とテクニックに裏付けされた存在感のある音、そしてプレイ。隅々まで行き届いたアイデア、エコーが印象的な緻密なサウンド処理。
そして今にして思うのが、これは「一触即発」と対になっているアルバムなのだなぁということ。
どちらも基本的な各プレーは変わらない。表現力豊かなギター、アイデア豊かな色彩感覚あふれるキーボード、ジャズテイストをほのかに感じさせるタイトながら叩き過ぎないドラムス。
しかし1stは内に向って沈み込んでいくような幻想性と狂気、2ndは外に向って発散・爆発していくような高揚感と錯乱が潜んでいる。言わば抑うつ状態から躁転したかのような違いか。300時間かけてレコーディングしているというところも、ある意味躁状態っぽいと言えるかもしれない。
それは関係者自ら手がけたLP付属のライナーノートからもうかがえる。生年月日や星座まで書き込んだ関係者名簿。おふざけ写真入りの曲解説。詳細な使用機材一覧。そしてこれでもかっていう感じのレコーディング履歴一覧。やたらハイで、どこかタガが外れた感じ。
この情報量は国内バンドのライナーノートとしては
異例中の異例じゃないだろうか
17分近い大曲「泳ぐなネッシー」も、ゆったりとした雄大なイントロから「一触即発」的世界を期待すると肩すかしを食らう。むしろ千変万化する妄想的イメージが重なり合う不思議世界。しかしアルバム全体としては、様々な音楽的要素を盛り込んだごった煮的内容ながら、各曲の完成度は非常に高く、一聴する限り決して難解ではない。むしろポップですらある。 そしてそれらを違和感無く1枚にすっきりとまとめたところがまた凄い。
ギター&ボーカルで中心的存在であり多くの楽曲を手がけていた森園勝敏と、独特な世界を作り出していた作詞の末松康夫が、このアルバム制作後バンドから離れてしまう点でも、初期の2枚は特別な存在である。
間違いなく日本のプログレッシヴ・ロック、さらには日本のロック全体を代表する傑作。