原題:Live(1974)
■Barclay James Harvest
Barklay James Havest(バークレイ・ジェイムス・ハーヴェスト)は1970年にアルバムデビューしたイギリスのバンドである。美しく叙情的なメロディーや、メンバー4人中3人がボーカルを担当して美しいハーモニーを聴かせる点などから、ポップさとシンフォニックさが絶妙にブレンドされた曲を特徴とする。
バンドの活動歴は長いが、初期はオーケストラを取り入れた曲作りが一つの特徴となっており、その時のオーケストラアレンジを後にThe Enidを結成するRobert John Godfreyが担当していた。2ndアルバム発売後には彼の率いるオーケストラとツアーを行なっていたという。
本作は彼らの第6作にして初のライヴ。初出のLPは2枚組だった、収録時間75分を超える大作だ。そして「Summer Soldier」、「Galadriel」、「She Said」、「Mocingbird」などの名曲がひしめいているのも大きな魅力。
John Lees:リードギター、リコーダー、ボーカル
Les Holroyd:ベース、リズムギター、ボーカル
Stuart "Wooly" Wolstenholme:メロトロン、エレクトリックピアノ、
ムーグ、ボーカル
Mel Pritchard:ドラムス
まず特出すべきは演奏の完璧さである。アルバムでオーケストラが担当していた部分はギターやキーボードで見事にカバーし、逆にロック的な躍動感が増している。オーケストラに替わって大活躍しているのがキーボード群だ。Wolstenholme(ウルステンホルム)のメインキーボードはメロトロンじゃないかというくらい、メロトロンが鳴っており、それをバックにギターやボーカルが切々と歌う。
オーケストラ入りだった曲も、4人というバンド・ユニットだけの演奏なのに、その叙情美や雄大な世界観は微塵も崩れない。それどころかメロトロンが活躍することでむしろシンフォニック色が強まり幻想性が増した。
だからと言って大仰な演出や超絶テクニックや超人的アンサンブルで聴く者を圧倒するタイプではないので、繊細なパートのプレイも大切なのだが、これがまた実に丁寧に演奏されていて素晴らしいのだ。
この“静”の部分はまたボーカルの上手さが引き立つ場でもある。いかにもイギリス的な落ち着いた声のボーカルが心地よい。さらに3人ともがリードボーカルを取れるほど安定して歌えるので、ボーカルハーモニーがまた美しい。
ボーカルのバッキングに回ったギターも巧みに曲をサポートする。もちろんソロパートもブルースフィーリングあふれるプレイが印象的だ。気づくとメロトロンが見事にギターソロをサポートしている。という具合に、超絶テクニカルアンサンブルとは違う意味で、4人が見事なアンサンブルを見せている。痒いところに手が届くほどに。
こうして叙情的な世界に浸りつつ甘美が時間が過ぎていく。 これがBarclay James Harvestの魅力である。さらにこのアルバムにはスタジオ盤とはまた違ったライヴならではの荒々しさや、緊張感が漂っている。現在のプログレバンドのライブでよく見られるような弾き倒し系のプレイや分厚いサウンドとは違い、音数は少なく音圧も低いけれど、それぞれの音やプレイに存在感のある、まさに1970年代の職人的なワザを感じられる傑作。
ちなみに今でもそうだけれど、日本での知名度は決して高いとは言えない。プログレッシヴ・ロックに含めるかどうかという点でも微妙かもしれない。それは当時も同じであって、バンドの情報がほとんどなく、プログレっぽいけど一体どういう音なんだろうと想像しながら、レコード屋でずっとジャケットを眺めて、結局リアルタイムには買えなかったという思い出がある。でも当時買ってもこの良さはわからなかったかもしれないなぁ。
Barklay James Havest(バークレイ・ジェイムス・ハーヴェスト)は1970年にアルバムデビューしたイギリスのバンドである。美しく叙情的なメロディーや、メンバー4人中3人がボーカルを担当して美しいハーモニーを聴かせる点などから、ポップさとシンフォニックさが絶妙にブレンドされた曲を特徴とする。
バンドの活動歴は長いが、初期はオーケストラを取り入れた曲作りが一つの特徴となっており、その時のオーケストラアレンジを後にThe Enidを結成するRobert John Godfreyが担当していた。2ndアルバム発売後には彼の率いるオーケストラとツアーを行なっていたという。
本作は彼らの第6作にして初のライヴ。初出のLPは2枚組だった、収録時間75分を超える大作だ。そして「Summer Soldier」、「Galadriel」、「She Said」、「Mocingbird」などの名曲がひしめいているのも大きな魅力。
John Lees:リードギター、リコーダー、ボーカル
Les Holroyd:ベース、リズムギター、ボーカル
Stuart "Wooly" Wolstenholme:メロトロン、エレクトリックピアノ、
ムーグ、ボーカル
Mel Pritchard:ドラムス
まず特出すべきは演奏の完璧さである。アルバムでオーケストラが担当していた部分はギターやキーボードで見事にカバーし、逆にロック的な躍動感が増している。オーケストラに替わって大活躍しているのがキーボード群だ。Wolstenholme(ウルステンホルム)のメインキーボードはメロトロンじゃないかというくらい、メロトロンが鳴っており、それをバックにギターやボーカルが切々と歌う。
オーケストラ入りだった曲も、4人というバンド・ユニットだけの演奏なのに、その叙情美や雄大な世界観は微塵も崩れない。それどころかメロトロンが活躍することでむしろシンフォニック色が強まり幻想性が増した。
だからと言って大仰な演出や超絶テクニックや超人的アンサンブルで聴く者を圧倒するタイプではないので、繊細なパートのプレイも大切なのだが、これがまた実に丁寧に演奏されていて素晴らしいのだ。
この“静”の部分はまたボーカルの上手さが引き立つ場でもある。いかにもイギリス的な落ち着いた声のボーカルが心地よい。さらに3人ともがリードボーカルを取れるほど安定して歌えるので、ボーカルハーモニーがまた美しい。
ボーカルのバッキングに回ったギターも巧みに曲をサポートする。もちろんソロパートもブルースフィーリングあふれるプレイが印象的だ。気づくとメロトロンが見事にギターソロをサポートしている。という具合に、超絶テクニカルアンサンブルとは違う意味で、4人が見事なアンサンブルを見せている。痒いところに手が届くほどに。
こうして叙情的な世界に浸りつつ甘美が時間が過ぎていく。 これがBarclay James Harvestの魅力である。さらにこのアルバムにはスタジオ盤とはまた違ったライヴならではの荒々しさや、緊張感が漂っている。現在のプログレバンドのライブでよく見られるような弾き倒し系のプレイや分厚いサウンドとは違い、音数は少なく音圧も低いけれど、それぞれの音やプレイに存在感のある、まさに1970年代の職人的なワザを感じられる傑作。
ちなみに今でもそうだけれど、日本での知名度は決して高いとは言えない。プログレッシヴ・ロックに含めるかどうかという点でも微妙かもしれない。それは当時も同じであって、バンドの情報がほとんどなく、プログレっぽいけど一体どういう音なんだろうと想像しながら、レコード屋でずっとジャケットを眺めて、結局リアルタイムには買えなかったという思い出がある。でも当時買ってもこの良さはわからなかったかもしれないなぁ。