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Anekdoten(アネクドテン)
「nucleus
1993年、「Vomed」で突如北欧から現れ、70年代King Crimsonの音を継承するバンドとして注目された。荒々しいサウンドとメロトロンの大胆で魅惑的な使い方が特徴だ。
Peter Nordins:ドラムス、パーカッション
Jan Erik Liljestrom:ベース、ボーカル
Niclas Barker:ギター、エレクトリックピアノ、クラヴィネット、
パンプオルガン、メロトロン、ボーカル
Anna Sofi Dahlberg:チェロ、メロトロン、ボーカル
短いギターノイズのパートがこれから何が始まるんだろうという予感を抱かせた直後、激しい5拍子のリフが襲いかかる。重いベースとざらついたギターが 「Lark's Tongue in Aspic」(邦題は「太陽と戦慄」)の頃のKing Crimsonを思い起こさせる。アクセントをズラしてリズムを取るドラムもCrimsonのBruford的だ。さらにAnnaの弾くチェロが、低音部 で妖しくうごめく。まさに音の嵐に巻き込まれるような強力な導入部。
そしてビリビリ響くベースとタイトなドラムだけを残し、ここぞとばかりに攻撃的なメロトロンが入ってくる。このセンスの良さ。メロトロンの魅力を知り尽くしたような使い方。最初の曲「Nucleus」のこの流れだけでもAnekdotenの凄さがわかる。
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しかしそれをより印象的なものにしているのが、線の細いボーカルやエレクトリックピアノ、チェロが印象的な“静”の部分だ。曲のタイプも動と静が交互になるような配列になっている。またAnneの弾くチェロは色々な場面で活躍しており、時に美しく、時に妖しく、そして時に荒々しく、Anekdotenの世界に深みを与えている。
しかし何と言ってもメロトロンの使い方の巧みさに惚れ惚れする。「This Far From The Sky」では、ボーカルの後ろで優しく響くメロトロンの巧みさ、そしてクライマックス部分、激しいリズムの上に、上昇メロディーのメロトロンと体位旋律と して下降メロディーを奏でるメロトロンが、左右から流れてくる時の美しさ。メロトロンはこう使わなきゃって感じ。メロディー楽器は実はメロトロンなので は、と思う程だ。
Anekdotenのアルバムはどれも魅力的だが、静と動の落差、そしてチェロの響きが印象的な点で、本作が一番刺激的か。傑作です。