Tangerine Dream(タンジェリン・ドリーム)
「rubycon」(邦題は「ルビコン」)は、ドイツのTangerine Dream(タンジェリン・ドリーム)が1975年に発表した名作。タイトルの「rubycon」は造語で、イタリア中北部を流れるルビコン川(rubicon)と宝石のルビー(ruby)を組み合わせたような美しい文字だ。
Edgar Froese:メロトロン、ギター、シンセサイザー、ゴング
Chris Franke:シンセサイザー、シンシA、オルガン、
プリペアード・ピアノ、ゴング
Peter Baumann:オルガン、シンシA、エレクトリック・ピアノ、
プリペアード・ピアノ
「プリペアード・ピアノ」とはグランドピアノの弦に、ゴム、金属、木などを挟んだり乗せたりして音色を打楽器的な響きに変えたもの。それから「シンシA」とはアタッシュケース型のポータブルシンセサイザー。
Tangerine Dreamというとシンセ・ビートが延々と続くような印象があるが、音楽はおおまかに、様々な音がコラージュのように積み重なっては消えていく部分と、シンセサイザーがベースのビートを刻む部分とに分かれる。意外とシンセ・ビートが支配的なわけではないのだ。むしろ音響的に非常に計算された面と、感覚的に積み重ねられたようなアナログな面のバランスが絶妙なのだ。
そしてそのシンセ・ビートも、近年のノリや刺激や陶酔感につながるデジタルビートとも、ヒーリング・ミュージック的な淡々としたものとも異なる。デジタルな冷たさはなく、アナログな手触り感が残った深みのある音である。
リズムも3拍子や4拍子と一定の流れの中でリズムチェンジを行う。これがまた世界を塗り替えるような効果を生む。映画音楽であるかのような、様々な情景が浮かんでくる。
さらに意外と活躍しているのがメロトロン。この深みのある音にさらにリヴァーヴがかけられ、シンセ・リズムと違和感なく解け合う。海の底に響くようなメロトロンのメロディーが美しい。
そのメロトロンもストリングスだけでなくオーボエやフルート音、さらにコーラスも使われている。もちろんイフェクトがかけられているが、とても荘厳な響きとなってリスナーを包み込む。
こうして音を聴き込んでいくと、このアルバムは実はとても叙情的な作品であることがわかってくるのだ。もちろんチル・アウト的に聴くこともできる。しかしシンセ・リズムは時にかなり強烈に迫ってくる。一瞬のメロディーがとても美しい。一筋縄ではいかない。
それだけ様々な魅力が詰まっているのだ。そこが1970年代らしい作品だと言える。壮大で永遠なる世界に触れることのできる、アナログ・シンセ・ビートによる電子音楽系ロックの金字塔。
Edgar Froese:メロトロン、ギター、シンセサイザー、ゴング
Chris Franke:シンセサイザー、シンシA、オルガン、
プリペアード・ピアノ、ゴング
Peter Baumann:オルガン、シンシA、エレクトリック・ピアノ、
プリペアード・ピアノ
「プリペアード・ピアノ」とはグランドピアノの弦に、ゴム、金属、木などを挟んだり乗せたりして音色を打楽器的な響きに変えたもの。それから「シンシA」とはアタッシュケース型のポータブルシンセサイザー。
Tangerine Dreamというとシンセ・ビートが延々と続くような印象があるが、音楽はおおまかに、様々な音がコラージュのように積み重なっては消えていく部分と、シンセサイザーがベースのビートを刻む部分とに分かれる。意外とシンセ・ビートが支配的なわけではないのだ。むしろ音響的に非常に計算された面と、感覚的に積み重ねられたようなアナログな面のバランスが絶妙なのだ。
そしてそのシンセ・ビートも、近年のノリや刺激や陶酔感につながるデジタルビートとも、ヒーリング・ミュージック的な淡々としたものとも異なる。デジタルな冷たさはなく、アナログな手触り感が残った深みのある音である。
リズムも3拍子や4拍子と一定の流れの中でリズムチェンジを行う。これがまた世界を塗り替えるような効果を生む。映画音楽であるかのような、様々な情景が浮かんでくる。
さらに意外と活躍しているのがメロトロン。この深みのある音にさらにリヴァーヴがかけられ、シンセ・リズムと違和感なく解け合う。海の底に響くようなメロトロンのメロディーが美しい。
そのメロトロンもストリングスだけでなくオーボエやフルート音、さらにコーラスも使われている。もちろんイフェクトがかけられているが、とても荘厳な響きとなってリスナーを包み込む。
こうして音を聴き込んでいくと、このアルバムは実はとても叙情的な作品であることがわかってくるのだ。もちろんチル・アウト的に聴くこともできる。しかしシンセ・リズムは時にかなり強烈に迫ってくる。一瞬のメロディーがとても美しい。一筋縄ではいかない。
それだけ様々な魅力が詰まっているのだ。そこが1970年代らしい作品だと言える。壮大で永遠なる世界に触れることのできる、アナログ・シンセ・ビートによる電子音楽系ロックの金字塔。