2009年6月8日月曜日

「アライヴ・イン・ジ・アンダーグラウンド」

Alive In The Underground(2008年)

David Cross Band(デヴィッド・クロス・バンド)


1970年代初め、King Crimsonが連夜のように凄まじいライブを行っていた頃のバイオリニストであるDavid Cross。彼のリーダーバンド、David Cross Bandが2006年の3月に行ったライヴを収録したアルバムを輸入版で手に入れた。2005年の「Closer Than Skin」曲を中心に、King Crimsonの曲も演奏している。

 David Cross:エレクトリック・ヴァイオリン
 Mick Paul:ベース
 Paul Clark:ギター
 Arch Stanton:ヴォイス
 Joe Crabtree:ドラムス
 Alex Hall:キーボード

「Closer Than Skin」はバンド形式ながら
David Crossのソロアルバムだったので、David Cross Bandとしては初のアルバム。バンドの原型は2005年の日本公演に集まったメンバーだそうで、現在のメンバーはベース、ギター、キーボード、ドラム ス、ボーカルを加えた6名。アルバム「Closer Than Skin」からは、ドラムスが交替、キーボードが新たに加入した新体制だ。


King Crimsonではライブでの緊張感の連続や、他のプレーヤーの音圧の前に、もともと音の大きくないヴァイオリンで対抗してインプロヴィゼイションをプレイし続けることに疲れ果ててしまったという。その結果バンドの解散を待たずして脱退する。

も ともとビブラートのほとんどない奏法で、クラシックな香りをほとんど感じさせない独自な音なのだが、その線の細い音がKing Crrimson時代には時にヒステリックに、時に繊細に、サウンドの女性的な部分を担っていた。もちろん男性的な攻撃的な部分はRobert Frippの強烈なギターであり、その後は、それをも圧倒せんばかりのリズム隊となっていくのだが。

しかしソロになってから次第に力強いプレイが復活しだし、音に自信がみなぎり始めていた。今作ではDavid Crossのエレクトリック・バイオリンが、貫禄の演奏で他のメンバーを引っ張っている。頼もしい。かつての繊細な音とは異なり、むしろ音の固まりが迫ってくるような力強さがある。

このあたりはやはりビブラートをほとんど使わないRobert Frippのギタープレイに似ている。
メタリックなギターが弾きまくっても、David Crossのバイオリンの存在感が際立っている。カッコいい!ギターがメタル風な音色なので、エレクトリック・バイオリンと音色が被らなかったのも良い感じだ。

バンドとしての演奏はこなれているし、技術的にも高いのだが、まだ他のメンバーの個性が発揮されているとは言いがたい。それにアルバムとして見た場合ラストにKing Crimsonの「Starless」と「21st Century Schizoid Man」を持ってくるというのは残念。最後は自分の曲で勝負して欲しかった。

とは言いながら、久しぶりにDavid Crossの激しいプレイが聴けたのはうれしかったなぁ。


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