Novella (1977年)
Renaissance(ルネッサンス)
「NOVELLA」(邦題は「お伽噺」)はイギリスのバンドRenaissance(ルネッサンス)が1977年 に発表したアルバム。わたしはもちろん音楽評論家ではないので、バンドのすべてのアルバムを聴いた上でベストな作品を紹介しているわけではなく、あくまで 個人的に思い入れがあったり、凄い作品だと思ったものを取り上げているわけだけど、このアルバムも思い入れが強い作品だ。特にこの一年、仕事が重くのしか かってきた時期によく聴き、助けてもらったアルバムなのだ。
John Tout:キーボード、ボーカル
Annie Haslam:リード・ボーカル
Jon Camp:ベース、アコースティックギター、ボーカル
Terence Sullivan:ドラムス、パーカッション、ボーカル
Michael Dunford:アコースティックギター、ボーカル
メンバーの担当楽器を見ればわかるように、バンドとしてはフォーク、トラッド系の音楽をやりそうな編成である。エレクトリックギター担当者いないし。当然アルバムの中でエレキギターソロは一度も出てこない。ではどんな音楽なのか。ちょっと乱暴な言い方をすると“バンド色の強いクラシカルなアレンジのミュージカル”というような感じか。ドラマチックな演奏とクリアーな女性ボーカルが、繊細さとダイナミックさの両方を持った豊かな音楽を作り出す。
まずリードボーカルのAnnie Haslam(ア ニー・ハズラム)の声が非常に魅力的だ。独特の甘い声質を持ち、音程も安定しており表現力もある。しかしビブラートが強くなく、技巧に走らず癖のない素直 でストレートな歌い方であるため、聞いた印象は意外とクールな感じなのだ。だから魅力的でありながら、ボーカルが前に出過ぎない。他のメンバーそれぞれの 持ち味がちゃんと生きている。
特にキーボードのJohn Tout(ジョン・タウト)のクラシカルなピアノ、ところどころで活躍するシンセサイザーの使い方、そのセンスが抜群で、彼の存在がRenaissanceをフォークバンドではなくクラシカル・ロックバンドという特異な存在にした大きな要因になっていると思われる。
さらにフォーク的なやさしい雰囲気を常にかもし出しながら、ここぞというところで入る美しいソロを入れるMichael Dunford(マイケル・ダンフォード)のアコースティックギターもすばらしい。さらに、ここぞという時にロック的なダイナミズムを生み出すドラムス、そして時にメロディーに近い、歌うような動きをするベースも欠かせない存在だ。
アルバムは、細かなスコアが用意されたと思われる重層的なオーケストラとバンドサウンドがみごとに一体となった曲を最初と最後に置き、2曲目、3曲目はバンド中心の演奏による曲、4曲目はピアノの伴奏だけでAnnie Haslamを中心とし他のメンバーも歌う、ボーカル主体の曲という構成になっている。
バ ンド自体の演奏力も高いが、オーケストラと一体になったときのアレンジ、コンビネーションもすばらしい。どの曲も美しくドラマティック。わたしは最初の曲 のボーカルが入る前、バンドとオーケストラが流麗なメロディーを奏でる部分で、もうこのアルバムに魅入られてしまいました。
シンフォニック、クラシカルを謳うバンドは多いけれど、分厚いキーボード・オーケストレーションとかに頼らない、Renaissanceでなければ作り上げられなかった極上のクラシカル・ロック。傑作。
Renaissance(ルネッサンス)
「NOVELLA」(邦題は「お伽噺」)はイギリスのバンドRenaissance(ルネッサンス)が1977年 に発表したアルバム。わたしはもちろん音楽評論家ではないので、バンドのすべてのアルバムを聴いた上でベストな作品を紹介しているわけではなく、あくまで 個人的に思い入れがあったり、凄い作品だと思ったものを取り上げているわけだけど、このアルバムも思い入れが強い作品だ。特にこの一年、仕事が重くのしか かってきた時期によく聴き、助けてもらったアルバムなのだ。
John Tout:キーボード、ボーカル
Annie Haslam:リード・ボーカル
Jon Camp:ベース、アコースティックギター、ボーカル
Terence Sullivan:ドラムス、パーカッション、ボーカル
Michael Dunford:アコースティックギター、ボーカル
メンバーの担当楽器を見ればわかるように、バンドとしてはフォーク、トラッド系の音楽をやりそうな編成である。エレクトリックギター担当者いないし。当然アルバムの中でエレキギターソロは一度も出てこない。ではどんな音楽なのか。ちょっと乱暴な言い方をすると“バンド色の強いクラシカルなアレンジのミュージカル”というような感じか。ドラマチックな演奏とクリアーな女性ボーカルが、繊細さとダイナミックさの両方を持った豊かな音楽を作り出す。
まずリードボーカルのAnnie Haslam(ア ニー・ハズラム)の声が非常に魅力的だ。独特の甘い声質を持ち、音程も安定しており表現力もある。しかしビブラートが強くなく、技巧に走らず癖のない素直 でストレートな歌い方であるため、聞いた印象は意外とクールな感じなのだ。だから魅力的でありながら、ボーカルが前に出過ぎない。他のメンバーそれぞれの 持ち味がちゃんと生きている。
特にキーボードのJohn Tout(ジョン・タウト)のクラシカルなピアノ、ところどころで活躍するシンセサイザーの使い方、そのセンスが抜群で、彼の存在がRenaissanceをフォークバンドではなくクラシカル・ロックバンドという特異な存在にした大きな要因になっていると思われる。
さらにフォーク的なやさしい雰囲気を常にかもし出しながら、ここぞというところで入る美しいソロを入れるMichael Dunford(マイケル・ダンフォード)のアコースティックギターもすばらしい。さらに、ここぞという時にロック的なダイナミズムを生み出すドラムス、そして時にメロディーに近い、歌うような動きをするベースも欠かせない存在だ。
アルバムは、細かなスコアが用意されたと思われる重層的なオーケストラとバンドサウンドがみごとに一体となった曲を最初と最後に置き、2曲目、3曲目はバンド中心の演奏による曲、4曲目はピアノの伴奏だけでAnnie Haslamを中心とし他のメンバーも歌う、ボーカル主体の曲という構成になっている。
バ ンド自体の演奏力も高いが、オーケストラと一体になったときのアレンジ、コンビネーションもすばらしい。どの曲も美しくドラマティック。わたしは最初の曲 のボーカルが入る前、バンドとオーケストラが流麗なメロディーを奏でる部分で、もうこのアルバムに魅入られてしまいました。
シンフォニック、クラシカルを謳うバンドは多いけれど、分厚いキーボード・オーケストレーションとかに頼らない、Renaissanceでなければ作り上げられなかった極上のクラシカル・ロック。傑作。