Valley Gardens(1975年)
Wally(ウォーリー)
「Valley Gardens」は、イギリスのバンドWally(ウォーリー)が1975年に発表したセカンド・アルバム。邦題は「幻想の谷間」。もともとデビュー・アルバムをYesのRick Wakemanがプロデュースしたということで話題になったが、どちらか言うとフォーク&トラッド色が強いボーカル主体のアルバムだった。バイオリンも登場するがフィドル的な印象の方が強かった。
ところが、この「Valley Gardens」 で思いっきりスケールアップする。ファースト・アルバムからはキーボードが交代している。そのためか、柔らかなボーカルを活かしたファーストのフォーク タッチを上手く残しながら、非常にドラマチックな曲想に変わったのだ。つまりよりシンフォニック・ロック的になったのである。
Nick Glennie-Smith:キーボード、ボーカル
Pete Cosker:ギター、ボーカル
Paul Middleton:ベース、スティールギター
Rober D. Narraway:ドラムス、パーカッション
Pete Sage:ベース、バイオリン
Roy Webber:リードボーカル、アコースティックギター
アルバム構成からしてLP時代のA面3曲、B面1曲という大曲指向になり、インストゥルメンタル部分が増え、その表現力が増している。クリアなボーカルを核にギター、キーボードが曲のロック色を高め、バイオリン、スティールギターがWallyらしさを演出していく。
最初の曲「Valley Gardens」のイントロからすでにリズムがタイトになり、シンセサイザー、エレキギター、スティールギターが登場し、ロック的なアンサンブルを聴くことができる。この曲ではスティールギターがリードギター並みに活躍しているが、空間的な広がりを曲に与えることに成功している。
2曲目「Nez Perce」は美しいバラード。ピアノ、ボーカルに生バイオリンが優しく重なってくる。ボーカルハーモニーも美しい。「The Mood I'm In」は、エレクトリックピアノとボーカル主体の、よりスローなフォークタッチの静かな美しい曲。ここでもスティールギターが良い味を出している。
そして 18分に及ぶ「The Reason Why 」は3部構成の組曲。インストゥルメンタルバトル的な激しい部分はないが、ドラマティックにロマンティックに曲は進んでいく。バイオリンの美しくダイナミックな演奏が印象的。
テクニックを誇るタイプのバンドではないし、スタープレーヤーがいるわけでもないが、それぞれのプレーヤーが持ち味を十分に発揮して作り上げた幻想的な一 枚。手に汗握るようなスリリングな演奏ではなく、基本のフォーク&トラッドの歌心をうまく活かした心温まるシンフォニック・ロック作品。よく聴きたくなっ てしまうアルバムなのです。
CD化を待って待って待って、やっと手に入れた時はそれだけで感激してしまった一枚。
Wally(ウォーリー)
「Valley Gardens」は、イギリスのバンドWally(ウォーリー)が1975年に発表したセカンド・アルバム。邦題は「幻想の谷間」。もともとデビュー・アルバムをYesのRick Wakemanがプロデュースしたということで話題になったが、どちらか言うとフォーク&トラッド色が強いボーカル主体のアルバムだった。バイオリンも登場するがフィドル的な印象の方が強かった。
ところが、この「Valley Gardens」 で思いっきりスケールアップする。ファースト・アルバムからはキーボードが交代している。そのためか、柔らかなボーカルを活かしたファーストのフォーク タッチを上手く残しながら、非常にドラマチックな曲想に変わったのだ。つまりよりシンフォニック・ロック的になったのである。
Nick Glennie-Smith:キーボード、ボーカル
Pete Cosker:ギター、ボーカル
Paul Middleton:ベース、スティールギター
Rober D. Narraway:ドラムス、パーカッション
Pete Sage:ベース、バイオリン
Roy Webber:リードボーカル、アコースティックギター
アルバム構成からしてLP時代のA面3曲、B面1曲という大曲指向になり、インストゥルメンタル部分が増え、その表現力が増している。クリアなボーカルを核にギター、キーボードが曲のロック色を高め、バイオリン、スティールギターがWallyらしさを演出していく。
最初の曲「Valley Gardens」のイントロからすでにリズムがタイトになり、シンセサイザー、エレキギター、スティールギターが登場し、ロック的なアンサンブルを聴くことができる。この曲ではスティールギターがリードギター並みに活躍しているが、空間的な広がりを曲に与えることに成功している。
2曲目「Nez Perce」は美しいバラード。ピアノ、ボーカルに生バイオリンが優しく重なってくる。ボーカルハーモニーも美しい。「The Mood I'm In」は、エレクトリックピアノとボーカル主体の、よりスローなフォークタッチの静かな美しい曲。ここでもスティールギターが良い味を出している。
そして 18分に及ぶ「The Reason Why 」は3部構成の組曲。インストゥルメンタルバトル的な激しい部分はないが、ドラマティックにロマンティックに曲は進んでいく。バイオリンの美しくダイナミックな演奏が印象的。
テクニックを誇るタイプのバンドではないし、スタープレーヤーがいるわけでもないが、それぞれのプレーヤーが持ち味を十分に発揮して作り上げた幻想的な一 枚。手に汗握るようなスリリングな演奏ではなく、基本のフォーク&トラッドの歌心をうまく活かした心温まるシンフォニック・ロック作品。よく聴きたくなっ てしまうアルバムなのです。
CD化を待って待って待って、やっと手に入れた時はそれだけで感激してしまった一枚。