四人囃子(よにんばやし)
「一触即発」(いっしょくそくはつ) は、日本が誇るロックバンド四人囃子(よにんばやし)が1974年に発表したファースト・アルバムである。情報も格段に少なかった当時、イギリスの Pink FloydやYesを聴いて「外国のグループは違うなぁ」と、ある種妄想に近い憧れと、日本の音楽との圧倒的なレベルの違いを感じていた頃のことだ。やっていることの次元がもう違う、そんな感じだった。
だから音楽雑誌にデカデカと怠け者がぶら下がっているジャケット写真が載り、確か「これが欧米音楽への日本からの回答だ!」みたいなアオリコピーがついていたのを見た時も、関心はあったが期待はそれほどしていなかった。
いや、1973年くらいまでにイギリスの大物プログレッシヴ・ロックグループは、その代表的な作品を出しているから、もしかするとそれらに刺激された何か新しいプログレッシヴな音楽が日本からも出たらいいなぁ、くらいは思っていたかもしれない。かなり寛容に、敷居を低くしてでも、日本のバンドの頑張りを期待していたところはあったかもしれない。
ところが聴いてみてショックを受けた。まず音がいい。音響的なこだわりが凄い。音を詰め込みすぎずに、逆にピンク・フロイド並みに、そえぞれの音に存在感がある。そして自信に満ちた演奏力。安定している上に細かなところでテクニックを感じさせるところがニクい。
森園勝敏:ギター、ボーカル
岡井大二:ドラムス
坂下秀美:キーボード
中村真一:ベース
さらに作詞家の末松康生の日本語のよる歌詞。英語を全く使わないで作り上げた日本的な世界観。その懐かしいような不気味な世界は、あきらかにGSの延長からは出てこない詞であった。
Pink Floydの「Echoes」風な大作「一触即発」で歌われる「あ〜ぁぁ、空がやぶける あ〜ぁぁ、音も立てずに」なんてもう想像の枠を越えてしまっている。考えられない言葉。目眩がする。
(ただし同曲の「金ぴかの時計が〜」というドラッギーな部分は、森園が勝手に入れたとのこと。)
それを歌う森園の存在感のある力強い声。決して上手いタイプではないが説得力のある声。GSともフォークとも違う、ロックな骨太な声の魅力。演奏力の高さや幻想性で語られることが多いが、この声も四人囃子の大きな魅力だ。
確かにピンク・フロイドを中心に海外のグループの影響は受けている。あえてジャンル分けすれば、プログレッシヴ・ロックだろう。しかし意図的にそこを目指したわけでもない。何か新しい音楽をやろうというエネルギーが作り出したアルバム。日本のロックがいきなり最高レベルで出現したような衝撃。
そしてその音や声の生々しさ、演奏の巧みさ、歌詞の独特さ、構成の新鮮さ、そして耳の残るメロディーという意外なキャッチーさにおいて、未だ日本で、このアルバムを越える作品は出ていないと言える。
非の打ち所のない傑作である。
だから音楽雑誌にデカデカと怠け者がぶら下がっているジャケット写真が載り、確か「これが欧米音楽への日本からの回答だ!」みたいなアオリコピーがついていたのを見た時も、関心はあったが期待はそれほどしていなかった。
いや、1973年くらいまでにイギリスの大物プログレッシヴ・ロックグループは、その代表的な作品を出しているから、もしかするとそれらに刺激された何か新しいプログレッシヴな音楽が日本からも出たらいいなぁ、くらいは思っていたかもしれない。かなり寛容に、敷居を低くしてでも、日本のバンドの頑張りを期待していたところはあったかもしれない。
ところが聴いてみてショックを受けた。まず音がいい。音響的なこだわりが凄い。音を詰め込みすぎずに、逆にピンク・フロイド並みに、そえぞれの音に存在感がある。そして自信に満ちた演奏力。安定している上に細かなところでテクニックを感じさせるところがニクい。
森園勝敏:ギター、ボーカル
岡井大二:ドラムス
坂下秀美:キーボード
中村真一:ベース
さらに作詞家の末松康生の日本語のよる歌詞。英語を全く使わないで作り上げた日本的な世界観。その懐かしいような不気味な世界は、あきらかにGSの延長からは出てこない詞であった。
Pink Floydの「Echoes」風な大作「一触即発」で歌われる「あ〜ぁぁ、空がやぶける あ〜ぁぁ、音も立てずに」なんてもう想像の枠を越えてしまっている。考えられない言葉。目眩がする。
(ただし同曲の「金ぴかの時計が〜」というドラッギーな部分は、森園が勝手に入れたとのこと。)
それを歌う森園の存在感のある力強い声。決して上手いタイプではないが説得力のある声。GSともフォークとも違う、ロックな骨太な声の魅力。演奏力の高さや幻想性で語られることが多いが、この声も四人囃子の大きな魅力だ。
確かにピンク・フロイドを中心に海外のグループの影響は受けている。あえてジャンル分けすれば、プログレッシヴ・ロックだろう。しかし意図的にそこを目指したわけでもない。何か新しい音楽をやろうというエネルギーが作り出したアルバム。日本のロックがいきなり最高レベルで出現したような衝撃。
そしてその音や声の生々しさ、演奏の巧みさ、歌詞の独特さ、構成の新鮮さ、そして耳の残るメロディーという意外なキャッチーさにおいて、未だ日本で、このアルバムを越える作品は出ていないと言える。
非の打ち所のない傑作である。