GodBluff (1975年)
Van Der Graaf Generator
(ヴァンダー・グラーフ・ジェネレーター)
「GodBluff」(邦題は「ゴッドブラフ」)は、イギリスのバンドであるVan Der Graaf Generator(ヴァンダー・グラーフ・ジェネレーター)の1975年のアルバムである。
Van Der Graaf Generatorの歴史は古く、1969年までさかのぼる。しかしアルバム4枚を残して1971年に一度解散する。
「Godbluff」 は1975年の復活作。旧LPでA面2曲、B面2曲という大作でなりたっている作品だ。Van Der Graaf Generatorの代表作としては、復活前の作比としては「H to He Who am The Only One」か「Pawn Hearts」、復活後は今作の次に発表された「Still Life」の支持が高い。
しかしわたしにとってのVan Der Graaf Generatorとの出会いは、こn「Godbluff」であり、その衝撃は一曲目の「The Undercover man」のPeter Hammillのボーカルなのだ。
Guy Evans:ドラムス、パーカッション
Hugh Banton:キーボード、ボーカル
Peter Hammill:リードボーカル、ギター、ピアノ
David Jackson:サックス、フルート
当時、あるラジオ番組を聴いてい時のことだ。Pink FloydやYesといった当時すでにメジャーになっていたバンドの次に、日本ではまだまだ知名度が低いけれども、上記大物バンドに退けを取らない実力と 魅力を備えたバンドとして、当時新譜の出たSebastian Hardieの「Four Moments」、Camelの「Moonmadness」とともに、このVan Der Graaf Generatorの「Godbluff」が取り上げられ、「The Undercoverman」が流された。
DJの「このボーカルの凄さを味わって下さい」というようなコメントがあったように記憶する。
そして、それならばと神経を集中させて聴き入ってみると、うなるほど凄かった。
最初の曲「The Undercoverman」。強くエコーのかかったフルートをバックに、聴こえるか聴こえないかの小さな声が歌い出す。自分が自分に存在の意義を問いか ける歌詞。しかしそんな難しいことは抜きしても、緩急の表現豊かなボーカル、間に入る力強いサックス、美しいフルート、バックでボトムを支えるオルガンと ドラム。そう、このバンドには専任ベース奏者がいないのだ。変幻自在なボーカルは次第に熱を帯びてくる。この静から動(激動)へのボーカルの落差。
2 曲目は「Scorched Earth」は打って変わって、最初からハードに飛ばす。インストゥルメンタルパートの割合が高い。ボーカルは絞り出すような力のこもった歌い方だ。そし てまるでボーカルの生理に合わせたように、リズムチェンジが行われていく。キーボードとサックスのユニゾンがカッコイイ。最後は混沌とした中から最初の テーマが浮かんだ瞬間に終わる。
3曲目「Arrow」は的確なドラムスのリズムの上で、サックスが入りそのまま盛り上がっていくのかと思 うと、いったん静かなパートへ。しかしバックでエコーのかかったサックスが鳴っているのが妖しい雰囲気だ。そこに切り込んでくるのがボーカルである。まる でサックスのように荒々しい声、シャウトする声。ボーカルがぐんぐん曲を引っ張っていく。最後には叫びともうめきとも言えるようなキレた声の迫力が凄い。
キーボードかベダル・ベースが低音部を支えているが、やはりベース部分が弱い。しかしそれがマイナスではなく、ちょっと神経質そうなボーカルや曲調を際立たせている。
4 曲目の「Sleepwalkers」。ボーカルは多重録音され、それぞれが微妙に勝手に歌っている。もともとの乱れ具合に拍車がかかる。かと思うとラテン 調のコミカルなフレーズ。ちょっとびっくりしていると再度シリアスな流れに戻る。もう好きなように引き回されている感じ。バックの演奏が実に落ち着いて力 強く、アンサンブルも見事なため、ボーカルの魅力が活きて来る。
名作とよばれる作品のはざまにある一作だが、Van Der Graaf Generatorにも駄作なし。ボーカルとバックの激しい演奏がぶつかりあうヘヴィーな一作。これも傑作。
ちなみにバンダー・グラフ・ジェネレーターとは「バンデグラフ起電機 (Van de Graaff generator)」という、静電発電機の一種(右下写真)。
そしてタイトルの「Godbluff」は造語で、「God bless」(神のご加護がありますように、幸運を祈る)をもじった意味「God bluff」(神のはったりがありますように)を連想させるが。どうでしょう。
Van Der Graaf Generator
(ヴァンダー・グラーフ・ジェネレーター)
「GodBluff」(邦題は「ゴッドブラフ」)は、イギリスのバンドであるVan Der Graaf Generator(ヴァンダー・グラーフ・ジェネレーター)の1975年のアルバムである。
Van Der Graaf Generatorの歴史は古く、1969年までさかのぼる。しかしアルバム4枚を残して1971年に一度解散する。
「Godbluff」 は1975年の復活作。旧LPでA面2曲、B面2曲という大作でなりたっている作品だ。Van Der Graaf Generatorの代表作としては、復活前の作比としては「H to He Who am The Only One」か「Pawn Hearts」、復活後は今作の次に発表された「Still Life」の支持が高い。
しかしわたしにとってのVan Der Graaf Generatorとの出会いは、こn「Godbluff」であり、その衝撃は一曲目の「The Undercover man」のPeter Hammillのボーカルなのだ。
Guy Evans:ドラムス、パーカッション
Hugh Banton:キーボード、ボーカル
Peter Hammill:リードボーカル、ギター、ピアノ
David Jackson:サックス、フルート
当時、あるラジオ番組を聴いてい時のことだ。Pink FloydやYesといった当時すでにメジャーになっていたバンドの次に、日本ではまだまだ知名度が低いけれども、上記大物バンドに退けを取らない実力と 魅力を備えたバンドとして、当時新譜の出たSebastian Hardieの「Four Moments」、Camelの「Moonmadness」とともに、このVan Der Graaf Generatorの「Godbluff」が取り上げられ、「The Undercoverman」が流された。
DJの「このボーカルの凄さを味わって下さい」というようなコメントがあったように記憶する。
そして、それならばと神経を集中させて聴き入ってみると、うなるほど凄かった。
最初の曲「The Undercoverman」。強くエコーのかかったフルートをバックに、聴こえるか聴こえないかの小さな声が歌い出す。自分が自分に存在の意義を問いか ける歌詞。しかしそんな難しいことは抜きしても、緩急の表現豊かなボーカル、間に入る力強いサックス、美しいフルート、バックでボトムを支えるオルガンと ドラム。そう、このバンドには専任ベース奏者がいないのだ。変幻自在なボーカルは次第に熱を帯びてくる。この静から動(激動)へのボーカルの落差。
2 曲目は「Scorched Earth」は打って変わって、最初からハードに飛ばす。インストゥルメンタルパートの割合が高い。ボーカルは絞り出すような力のこもった歌い方だ。そし てまるでボーカルの生理に合わせたように、リズムチェンジが行われていく。キーボードとサックスのユニゾンがカッコイイ。最後は混沌とした中から最初の テーマが浮かんだ瞬間に終わる。
3曲目「Arrow」は的確なドラムスのリズムの上で、サックスが入りそのまま盛り上がっていくのかと思 うと、いったん静かなパートへ。しかしバックでエコーのかかったサックスが鳴っているのが妖しい雰囲気だ。そこに切り込んでくるのがボーカルである。まる でサックスのように荒々しい声、シャウトする声。ボーカルがぐんぐん曲を引っ張っていく。最後には叫びともうめきとも言えるようなキレた声の迫力が凄い。
キーボードかベダル・ベースが低音部を支えているが、やはりベース部分が弱い。しかしそれがマイナスではなく、ちょっと神経質そうなボーカルや曲調を際立たせている。
4 曲目の「Sleepwalkers」。ボーカルは多重録音され、それぞれが微妙に勝手に歌っている。もともとの乱れ具合に拍車がかかる。かと思うとラテン 調のコミカルなフレーズ。ちょっとびっくりしていると再度シリアスな流れに戻る。もう好きなように引き回されている感じ。バックの演奏が実に落ち着いて力 強く、アンサンブルも見事なため、ボーカルの魅力が活きて来る。
名作とよばれる作品のはざまにある一作だが、Van Der Graaf Generatorにも駄作なし。ボーカルとバックの激しい演奏がぶつかりあうヘヴィーな一作。これも傑作。
ちなみにバンダー・グラフ・ジェネレーターとは「バンデグラフ起電機 (Van de Graaff generator)」という、静電発電機の一種(右下写真)。
そしてタイトルの「Godbluff」は造語で、「God bless」(神のご加護がありますように、幸運を祈る)をもじった意味「God bluff」(神のはったりがありますように)を連想させるが。どうでしょう。