2009年7月5日日曜日

「ポンペイ最後の日」

Pompeii(1977年)

New Triumvirat(ニュー・トリアンヴィラート)


Pompeii」(邦題は「ポンペイ最後の日」)は、ドイツのバンドTriumvirat(トリアンヴィラート)が1977年に発表した第5作目の作品。イタリアの都市ポンペイがベスビアス火山の突然の噴火で滅亡したことを題材としたコンセプトアルバムだ。このバンド、第4作目まではTriumvirat(ローマの“三頭政治”、あるいは単純に“三人組”の意味)と名乗り、 バンド名通りにキーボード、ベース、ドラムスのキーボード・トリオであった。しかしこの5作目でNew Triumviratと名前を変え、キーボード担当でバンドの中心人物であるJurgen Fritz(ユルゲン・フリッツ)のソロ・プロジェクト的なものになり、残りのメンバーはスペシャル・ゲストとなっている。

 Jurgen Fritz:ピアノ、オルガン、シンセサイザー
 Curt Cress:ドラムス、パーカッション
 Dieter Petereit:ベース
 Barry Palmer:ボーカル

こ のアルバムでは何と言ってもCurt Cressのドラムプレイが素晴らしい!彼の多彩で的確なプレイが全体を支え、ギターレスなのに音の薄さを感じさせない。この切れのよい安定したドラムの 上で、Fritzはのびのびとハモンドオルガンを中心に様々なキーボードを奏で、Palmerは気持ち良さそうに歌う。さらに20名のストリングス・オー ケストラ、ホーンセクション、そしてコーラス隊まで導入して、この大スペクタクルを描いていく。

キーボード・トリオから出発しているグループということで想像できるように、FritzのキーボードプレイにはEL&Pの影響が強い。し かし彼の曲は非常にメロディーがしっかりしているので、インストゥルメンタル曲である「Viva Pompeii」や「Dance On The Vulcano」、そして他の曲のインストゥルメンタルパートでも、時にボーカルパート以上に魅力的に響いてくる。ボーカル曲が多い割に、アルバム全体と してインストゥルメンタル部分の印象が強いのは、そのためだろう。

そしてそのすべ てが爆発するのが、文字通り火山の爆発を描くクライマックス曲「Vesuvius 79 a.d.」だ。曲はCressの気合いの入ったタイトなドラミングから始まり、曲のテンションをグングン上げていく。そこにストリングスが音に厚みをつけ ていく。一転ボーカルとエレクトリックピアノだけの静かなパートを挟んで、いよいよFritzのキーボードが暴れ始める。流れるようなキーボードソロ、ハモンドオルガンがいい味出してる!Cressのドラミングが曲のスピード感をアップさせる。そして最後に爆発をイメージさせるような音で曲は終わる。

アドリブプレイやインプロヴィゼーションはなく、カチッと決まった曲を、非情に魅力的に弾きこなすタイプのキーボードアルバムの傑作。複雑なことしなくても、表現力豊かなキーボードとドラムで、こんな魅力的な音楽になるという最高のサンプル。


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