2009年7月3日金曜日

「リサイクルド」

RECYCLED(1975年)

Nektar(ネクター)


Nektar(ネクター)は、結成はドイツだがメンバーがイギリス人という経緯のせいか、イギリス、ドイツ、アメリカでの活動が中心だった。

「RECYCLED」はその第7作目。アルバムはインデックス上は11曲からなっているが、切れ目なしのトータルな流れでLPでいうA面1曲、B面1曲と考えた方がわかりやすい。そのどちらの曲もがドラマチックである。

しかしなんと言っても圧巻なのは1〜7曲目までの前半組曲。このバンドは基本的にはハードロックバンドであり、ギターもキーボードもテクニカルな演奏はしない。

しかし巨大な機械にスイッチが入りボルテージが上がって行くような導入部から、ギターの荒々しいリフに高音のキー ボードが重なる頃には、聴き手は未知の世界に投げ込まれ、息つく間もなく17分37秒を一気に突き進む!


メンバーは6人だが、ステージの視覚的効果なども積極的に取り入れていたことから、バンド演奏とは直接関係しないメンバーも含まれている。

 Roye Albrighton : ギター&ボーカル
 "Taff" Freeman : キーボード&ボーカル
 Ron Howden : ドラムス&パーカッション
 "Mo" Moore : ベース&ボーカル
 Mick Brockett:ビジュアル環境 
 Larry "Synergy" Fast : シンセサイザー

このアルバムの魅力を支えているのは、大きく言えば3つ。まずハードロックグループとしてボーカルを含めた抜群に安定した演奏力。特にドラムは頻繁なリズムチェンジがあるにもかかわらず、疾走感を失うどころか、逆に曲に緊張感を生み出している。

2つめは曲の良さ。わかりやすいメロディー、乗り易いリズム、巧みで時に極端な緩急のつけ方、主要メロディーの繰り返しによる曲のトータルイメージ作り。ダレルことなく一気に最後まで、この未知の世界を突き進む快感を味わえる。そしてクライマックスには混声合唱まで現れ高揚感に拍車をかけ、爆発音で終わるという徹底した突進型の構成だ。

そして最後は、本アルバムから参加したシンセサイザー奏者Laryy Fastだ。彼はSynegy名義でアルバムも出している人物。バンド本来のハードロック色にLarry Fastのシンセサイザーサウンドが独特の音世界を持ち込んだことで、完成度は格段に挙った。

Larry Fastの音は全てに機械的なイメージを与える。アルバム序盤で入る工場のような機械音SEが秀逸だ。ベースの重い音も、メロディーのクリアーな音も、 ハードロック的な音にLarry Fastのシンセサイザーが被さることで、まさにジャケットの歯車と異様な生物の世界が作られたのだ。


Larry Fastはキーボード奏者ではなくシンセサイザー奏者。シンセサイザーの魅力を再確認する上でも、この傑作アルバムは覚えておきたい。


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